出典:厚生労働省
※内容を抜粋して記事を作成しています。
「じん肺」とは小さな砂ぼこりや金属粉など微細な粉塵を大量に吸入し続けることで、肺が固くなって呼吸が困難になる疾病のことです。
じん肺法では「粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」と定義され、粉塵作業従事労働者は、地方じん肺診査医の診断結果によって「じん肺管理区分(管理区分Ⅰ~Ⅳ)」で区分されます。
じん肺の所見があり、6つの呼吸器疾患(肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎、続発性気管支拡張症、続発性気胸、原発性肺がん)が認められると、労災補償の対象となります。
当機構では、じん肺合併症の発症頻度や治療法の検討及びじん肺ハンドブックなどの書籍によるじん肺診断法の普及並びにじん肺合併肺がんの診断における新しい読影方法の検討など、長年じん肺診断や認定の迅速・適正化を目指し研究を行ってきました。
また、平成30年7月から、新たに均一的な診断法の検討や、じん肺合併症の実態調査を行っています。
均一的な診断法については、普及活動の一環として、日本職業・災害医学会において喀痰中好中球エラスターゼ活性測定について研究結果を発表しました。
じん肺合併症の実態調査については、研究参加施設にて労災及び手帳検診で通院中のじん肺症例を収集し、放射線科医2名を含む合議により間質性肺炎、GGO(Ground-Glass Opacity)の有無、間質性肺炎の所見の種類を決定し、その結果について分析した論文を作成中です